[2024年4月14日更新]
※この銘柄は高配当株ではありません
投資家が高配当株に注目するのは、その安定した収益性と将来の成長への期待からです
そういった高配当銘柄の中で製薬会社は特許によって自由に価格が決められるほか、薬の原価が低く高い利益率を保てる
さらに景気に左右されず、安定収益が見込めるためよく注目されます
小林製薬(4967)は、現在の配当利回りが1.81%(2024年4月14日時点)と高配当株の基準には満たないかもしれませんが、その堅実な財務状況と安定した経営基盤は、将来的な成長と収益性の向上を見込むことができる要素です。
この記事では、小林製薬がいかにして持続可能な成長を実現していくのか、そして投資家が見逃してはならないそのポテンシャルについて詳しく解説していきます。
小林製薬の配当状況
IR BANKのデータ
まずはIR BANKと呼ばれる企業の財務情報サイトから1株あたりの配当金と配当性向を見てみましょう
分析結果
一株当たりの配当は減少することなく、ずっと右肩上がりで増加しています
また配当性向はようやく最近30%台に乗り始めたところだと言えます
配当金を出しすぎて無理するよりはマシですが、30%台というのは株主側から見れば少し寂しいですね
50%は欲しいなぁ...
ここがこの企業の唯一惜しいところです
ここさえ良ければ、十分に高配当株の候補に入ってくるのに
最近の株主還元ブームに乗って、ぜひとももう少し増やしていってほしいですね
小林製薬はみんなが狙うような大きな市場ではなく、ニッチな市場にて高いシェアを取るビジネスモデルを取っています。
そのため医薬品や医薬部外品、スキンケア製品など幅広い製品ラインナップを持ち、消費者のニーズに応える独自の商品開発を行っていることがこれらの利益につながっていると思われます
小林製薬は配当方針は?
同社は配当方針に関して、以下のように言っています
当社は、安定した配当を継続していくこと、および中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としながら、連結業績を反映した配当政策を進めていく考えであります。
[引用元:小林製薬 剰余金の配当に関するお知らせ]
このことから、安定した配当はしていくことだけは分かります
しかし、この文章だと当たり前すぎて配当を増やしていくかどうかは分かりませんね
まあ増配し続けている事は事実なので、しばらくは増配する意思はあると思いますが2024年3月25日に起きた紅麹の事件で売上が減少してしまうと、しばらくは増配が難しくなってしまうかもしれません
小林製薬はどんな会社?
小林製薬の概要を以下の3点にまとめてみました
1.会社の特徴
小林製薬は「小さな池の大きな魚」戦略、すなわち「ニッチ戦略」を採用しています。
これは、大きな市場に参入するのではなく、新しい市場を見つけ出し、そこで高いシェアを獲得し利益を確保するというものです。
また、「あったらいいな」という潜在的なニーズを発見し、スピード開発を通じて製品化することで、市場を開拓しています。
2.海外展開について
米国、中国、東南アジアなどでカイロや冷却シートなどを販売しており、これらの地域でのシェア拡大を図っています。
特に米国のカイロ市場や各国の熱冷却シート市場でNo.1シェアを獲得していることが強みです。
3.将来の展望
小林製薬は2023年から2025年にかけての中期経営計画を策定し、「私が“あったらいいな”をカタチにする」というテーマのもと、新しい挑戦を推進しています。
これには、新しい海外サポート体制の構築、既存品の競争力強化、新規事業の創出、そしてデジタル技術を活用した製品やサービスの開発が含まれます。
また、2030年にはグローバル経営を推し進め、各国で新市場を創造し、新習慣を生み出す企業として認知されることを目指しています
これからもニッチな市場で開拓を続け、安定した利益を上げていってほしいですね!
小林製薬の安定性
IR BANKのデータ
売上高・営業利益のデータを見てみましょう
分析結果
売上高は文句なしで増加傾向にありますね
営業利益は微増ながらも頑張って増加傾向になっている印象です
先ほども書いたニッチな市場を狙っていくという戦略が現在のところは功を奏し、順調に増益を可能にしているという事でしょう!
小林製薬の総合的な財務状況はいかに
最後に
・営業利益率
・EPS(1株当たりの純利益)
・自己資本比率
・営業CF
・現金等
を確認しましょう
IR BANKのデータ
分析結果
これらのデータから
・営業利益率
多少の増減は見られるものの、平均して15%ほどを維持しているため健全な利益率を保っています
・EPS(1株当たりの純利益)
順調に増加傾向にあり、会社の収益性は向上し続けている事が分かります
・自己資本比率
70%台を維持しており、これによって同社は安定した財務基盤を持っている事が分かります
・営業CF
こちらも営業利益率と同じく、多少の増減は見られるものの赤字の年はなく、まだまだ健全な経営が行われています
・現金等
2023年12月には原材料の増加の値上がりや人件費のコスト増等で大きく減らしているものの、基本的には増加傾向にあり、まだ資金が潤沢にあると言えます
しかしこの直近のデータが大きく減少している点は少し気になるところではありますね
紅麹の事件で補償金などでさらに手元の現金を減らすことになる事も考えられますね
小林製薬の配当金に関するまとめ
いかがでしたか。
ニッチな市場を開拓し続け、それだけでなくしっかり市場シェアを獲得しながら安定した収益を得る。
そうしてシェアと知名度を広げてきた小林製薬ですが、やはりどうしても紅麹の事件が気になりますね
過去にも似たような事件を起こした「小林化工」という企業がありましたが、この企業は116日間業務停止命令をされた後に去って行きました
2024/3/25には-1000円のストップ安も起きており、しばらくは株価の乱高下が起きるんじゃないかと思っています
正直ストップ安になっても配当利回りは2%前半で微妙だし、これから恐らく売り上げも下がるでしょうから長期投資先としてはしばらく様子見が良いかと思います
「私が重視する高配当株の条件」が何か分からない人は以下の記事を参考にしてください。
この記事が高配当投資に興味のある方の参考になれば幸いです。
今後もおすすめの銘柄を紹介していきますので、ぜひチェックしてください!
引用:IR BANK(アクセス日:2024年4月14日)