高配当株投資は、配当金による安定的な収入と株価の成長に期待できる魅力的な手法です。
しかし、利回りが高いだけの「罠銘柄」には注意が必要です。
この記事では、IR BANKという便利なツールを使って、財務状況や業績の安定性、配当の持続可能性などを総合的に評価する高配当株の選び方を初心者向けに解説します。
高配当株投資で安定した不労所得を手に入れたい方は、ぜひ最後までお読みください。
とにかく分散!
「一つのかごの上に卵を盛るな!」
一つのかごに卵を盛りすぎると、かごが壊れたり、卵が割れたりして、全てを失う可能性があるという意味です
同じように、高配当株に投資する際にも、一つの企業や業界に偏らずに、多様な銘柄を選ぶことが大切です
例えば、コロナ禍で航空業界や観光業界の株価が大きく下落したとき、それらの業界に集中投資していた人たちはかなりの損害を被っています。
しかし、それらの業界とは関係のない銘柄にも分散して投資していると、損失を最小限にできます
まとめると、分散投資をする際には、以下の点に注意しましょう
– 異なる特徴を持つ銘柄を選ぶこと
– 銘柄数は70程度が目安で、できる限り分散してきましょう
– 長期投資が前提ですが、半年に1回程度は確認してみて定期的に見直してみる
IR BANKを大いに活用する!
IR BANKでは企業のコードを検索画面に入れるとその企業の株価や業績、決算の情報を見ることが出来ます
しかしこのIR BANK、初めて見たときは数字だらけで「何のこっちゃ?」となると思います
ご安心ください。ここからさらに丁寧に書いていきます
確認すべき項目は以下の8つです
1.営業利益
読んで字のごとくです
企業がしっかり収益を上げているかを示しています
安定し、かつ増配する企業は儲かっている企業にしかできないので、以上2点に注意しましょう
– 右肩上がりか
– 増減が激しくないか
右肩上がりとは、過去の営業利益が年々増加していることを意味します。
これは、企業が成長していることや、市場に受け入れられていることを示しています。
右肩上がりの企業は、株価の上昇や配当の増配にも期待できます。
増減が激しくないとは、過去の営業収益が大きく上下していないことを意味します。
これは、企業が安定していることや、景気の変動に強いことを示しています。
増減が激しい企業は、株価の下落や配当の減配にも注意が必要です。
例えば、以下の画像は、IR BANKで「東京瓦斯(9531)」と「日本航空(9201)」の営業利益を比較したものです。(東京瓦斯は東京ガスの事です)
この画像から分かるように、東京ガスは右肩上がりで増減も激しくない営業利益を示しています。
これは、東京ガスが安定した高配当株であることが分かります。
一方、日本航空は右肩上がりではなく、増減も激しい営業利益を示しています。
これは、日本航空が不安定な高配当株であることが分かりますね
2.EPS
EPSは、1株当たりにどれだけの利益があるかを示す指標です
EPSが高いと企業は高い利益を出しており、株主に還元する余力があるということになります
したがってEPSが高い企業は株価が上昇する可能性も非常に高く、配当金も増配していく企業だと言えます
EPSは企業の収益力や利益率を表す指標であるため、下がっていく企業よりも右肩上がりの企業を選んでいきましょう
3.営業利益率
日本の企業の営業利益率は業種によってまちまちですが、平均値は大体5%前後です
そのため、まずは営業利益率が5%以下の企業は候補から外すようにしていきましょう
また。高配当株投資では企業が安定して配当金を出す、なんなら増配していくような企業を選んでいくことが望ましいので、減配・無配リスクが限りなく低い利益率が10%以上の企業を選べると理想的だと言えます
4.自己資本比率
「自己資本比率」とは会社の全資産(借金含む)のうち、返済する必要のない「お金」をいくら持っているかの割合を指します
自己資本比率が高いと自由に使えるお金がたくさんあるということになるのですが、逆に高すぎると有り余るお金を上手く使えていないということになってしまいます。「宝の持ち腐れ」ってやつです
自己資本比率は最低30%は欲しいところですが、安定した配当金が欲しければ最低40%以上は目指しましょう!
60%もあると安心ですね
5.営業活動によるCF
「営業活動によるCF」は非常に重要な指標であり、「収入」から「支出」を引いたものがこれに当たります
つまり商売をして手元に残った現金だと考えてもらうと分かりやすいです
この指標に関して、IR BANKにて過去10年のデータを見て、1年でも赤字の時があれば要注意でしょう(私なら投資を控えます)
赤字になると減配になったり、無理して配当を出し続けると配当金が安定しないですからね
6.現金等
「現金等」は企業の手元に持っている現金や現金にすぐ変えられる小切手等の総額を示しています
こちらはあるだけお金をたくさん持っている企業ということになるので、そういった企業を選びましょう!
7.1株当たりの配当金
読んで字のごとくです
こちらでは配当金の安定性と成長性を見ましょう
減配・無配を過去に行っていないか、特にリーマンショック(2008年9月)のような〇〇ショック時に配当がどうなっているか確認しましょう
安定している企業ほどこんな時にも減配せず、配当を出し続けているものです
また出来れば企業が過去に増配を行ってきているかどうかも確認しておきましょう
例えば、以下の画像は、IR BANKで「東京瓦斯(9531)」と「日本航空(9201)」の1株当たりの配当金を比較したものです。
この画像から分かるように、東京ガスは過去10年間で一度も減配や無配を行っておらず、増配も何度も行っています。
これは、東京ガスが配当金の安定性と成長性を持つ企業であることを示しています。
一方、日本航空は過去10年間で3回も減配や無配を行っており、増配も一度も行っていません。
これで日本航空が配当金の安定性と成長性を持たない企業であることが分かります。
8.配当性向
利益のうち何%を配当金に回しているのかが分かります
高すぎると利益のほとんどを配当に回していることになり、そんな会社の配当金は安定しないし、長続きしないです
大抵の人が目の前の高利回りの配当金につられ、痛い目に合ってきているので注意しましょう!
目安としては30%~50%だと安心、70~80%だと無理して配当を出している印象です
高配当株ポートフォリオの作り方のまとめ
以上の8つの項目をIR BANKで確認することで、高配当株の選び方がより明確になると思います。
IR BANKは無料で使えるツールなので、ぜひ活用してみてください。
この他にもまだまだ確認事項はありますが、ここまで確認できればいわゆる「罠銘柄」に引っかかることはほとんど無くなります
高配当株投資は、配当金による安定的な収入と株価の成長に期待できる魅力的な手法です。
不労所得でお金に縛られない生活を目指しましょう!!
出典:IRBANK(アクセス日:2024年2月28日)